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【教育提案】武蔵野美術大学の教育研究資産を活用した「問いを立てる」プログラム構築に向けて

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innovation GO to MAU の実践で得た学びを踏まえ、「共創の場形成支援プログラム」(COI-NEXT)の研究おける創造性教育を通じた高校生を中心とした若者の態度変容調査および教育コンテンツ開発の一環として、武蔵野美術大学の教育研究資産を活用した、高校生を対象とする「問いを立てる力」の育成プログラムの検討・設計を行いました。

知識の習得にとどまらず、創造的思考力を育むSTEAM教育の重要性が高まる中で、美術大学の学びを社会に開き、芸術教育の新たな価値を提示することを狙いとしています。

本報告では、プログラムの背景にある教育的課題と社会的文脈を整理し、プログラムを設計・実践することで、芸術教育の可能性と社会的意義を再認識する機会の創出を目指しています。

背景(教育的課題と社会的文脈)

近年、STEAM教育をはじめとする探究型学習の重要性が広く共有されつつある一方で、高校生の多くが「自分が何を研究したいのか分からない」と感じている現状がある。実際に、事前アンケートでは約3割の高校生が、自分の“好き”や“ワクワク”を見つけられていないと回答しており、これは探究の出発点となる「問い」を立てる以前の段階でつまずいていることを示している。こうした課題に対し、本プログラムでは「観察力」を起点に、自分の関心を掘り下げ、問いを立て、検証し、再定義する一連のプロセスを体験できるよう設計を行った。

教育資産を活用したプログラムの提案

本プログラムは、「問いを立てる力」の育成を目的として、武蔵野美術大学の教育研究資産を活かした学びのデザインを行っている。アートやデザインのプロセスを基盤に、探究型学習の要素を組み合わせることで、高校生が自身の興味関心を出発点に問いを立て、検証し、共有し、そして問いを再定義する流れを一貫して体験できる構成とした。
このような学びの設計は、既存の高校教育では十分に扱われていない「問いの生成」や「検証のプロセス」に焦点を当てるものであり、創造的思考力の育成に寄与するアプローチであると考えられる。

今後の展望

今後は、実施記録や成果データを継続的に蓄積し、それらをもとに教育的課題の把握と取り組みの成果を検証し、プログラムの改善と発展へとつなげていく。

報告書作成:一般社団法人 i.club

作成日:2024年3月15日

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